安藤杳子の本の話。

お部屋の中からこんにちは。

2021-01-01から1年間の記事一覧

行動する鷹と、行動しない蜜|『万延元年のフットボール』大江健三郎

緊急事態宣言下のいまは、「自粛」を「要請」され「行動しないこと」が要求される。「行動しない」というのは、実は痛みをともなうということが、この1年間のうちによくわかった。昨年の初めての緊急事態宣言から言われている「自粛疲れ」がそうだ。そして、…

ある晴れた日の断章(『ポートレート・イン・ジャズ』『万延元年のフットボール』『ダンス・ダンス・ダンス』)

万延元年のフットボール。一年以上かけて読んでいる。再読だ。いつになったら読み終わる?大江健三郎のねちっこいほどの文章。生きた茎を切ったときの粘液のようだ。それがまた癖になるんだけれども。 * 最近は村上春樹の『ポートレート・イン・ジャズ』を…