安藤杳子の本の話。

お部屋の中からこんにちは。

価値ってなんだろう 『反哲学入門』 木田元

 

大学以来の再読でした。

 

最近ふつふつと哲学熱が再燃しています。

 

自分の整理のためにも少しだけあらすじを。

 

プラトン/アリストテレス以来、西洋は「超自然的思考」になり、それが「哲学」であると作者は語ります。

 

プラトンが、「イデア界」という、この世界とは別の世界を思い描き、この世界はイデア界からの概念によって「作られている」と考えたところからですね。それから西洋はいろんなかたちでプラトンの思考を引き継いでいきます。

 

「反哲学」は、「超自然的思考」による西洋の行き詰まりを見たニーチェが、ソクラテス以前の「自然的思考」に立ちもどろうとしたところから始まります。

 

「超自然的思考」では、目の前にある自然を物質、材料としてしか見てなかったのですが、価値転倒をして、自然そのものを見つめ直そうよと、そういうわけです。

 

下手な解説より、本を読んだ方が早いし(ものすごくわかりやすいです)、『史上最強の哲学入門』など、もっとわかりやすい本もあるので、ここら辺にしておきます。

 

ここで「価値転倒」という言葉を使いましたが、「価値」という概念を初めて使ったのがどうやらニーチェみたいです。ニーチェは経済学から輸入してきたみたいですが。

 

今では「価値」という言葉がどこでも使われますが、その時代の思想そのものを受け入れて生きていたら、確かに必要のない概念かもしれませんね。「そのままを受け入れる」というか・・。ものごとや自分、人の「あり方」に疑いを持った時に「価値」っていうものが生まれるのかもしれない。そんなことを考えました。